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村山九段 [将棋]

先週、TVで村山九段の特集が放映されていました。
ただし、この特集は、村山さんご本人ではなく、
村山さんのお母さまの視点で、描かれていました。

村山さんの小さな頃、ネフローゼ症候群という病に気づかず、
症状を悪化させてしまったことに、
お母さまは、長きに渡り、罪の意識から解放されなかったとのことです。
どれほど苦しかったことでしょう。

村山さんの晩年、がんが再発したことを聴かされ、泣き崩れるお母さま。
その時、聴こえてきた「おいしいうどんを食べに行こう。」という村山さんの言葉、
自分を気遣ってくれた我が子に、ようやく深い罪の意識から解放されます。

「勝てるかなぁ、羽生さんは強いからなぁ。」
うどんを食べに向かう道で、村山さんは、母に言うともなくつぶやきます。
「でも、勝ちたいなぁ。」

NHK杯の決勝で、惜しくも敗れた村山さん、その僅か5か月後、旅立たれて行きました。
村山さんの不興を買うことを覚悟で敢えて言いたい。
もし、村山さんがまだ生きておいでだったら、
棋界の勢力図は、現在のそれとは全然違うものになっていたに違いありません。

しかし、そんなことよりも、
最後ではあるけれども、お母さまと打ち解け、お2人で食されたうどんは、
お母さまにとって、大切な宝物になりました。
そのことが、見るものの魂を揺さぶります。
私はいつまでもいつまでも涙が止まりませんでした。

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