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世情 [その他]

突然ですが、私は中島みゆきのファンです。
と言っても、最近は持っているレコード(古い?)もCDも聴かず、
コンサートにもさっぱり行っておりませんので、
少なくとも、真面目な(?)ファンとは言えないでしょう。
でも、高校~大学の間は本当によく聴いていました。
きっかけは、あの不朽の名作「時代」ではなく、
彼女の黎明期の作品「悲しみ笑い」です。
高校生の時この曲を初めて聴き、
すっかりその歌詞に魅了されてしまったという次第です。

ところで、なぜ急に中島みゆきの話かと言うと、
実は昨晩(11/1)NHKの「SONGS」という番組で
彼女が出演(映像と声だけですが)していたからです。
映像は2012~2013年のコンサートツアー「縁会」をベースにしつつ、
ドラマやドキュメンタリー等の
テレビ番組の主題歌や挿入歌をそのエピソードとともに聴かせる番組構成で、
ファンにとってはとても嬉しい内容でした。
そしてこの番組の後半に流れた曲が今日のブログのタイトル「世情」です。
金八先生の1981年作品「卒業式前の暴力」で使われましたので、
ご存じの方も多いでしょう。
私は、この歌は本当に名曲と思います。

この曲、いろんな解釈ができると思いますが、
私はこんな風に思っています。

- 世の中は本来の正しい、あるべき姿からだいぶ変化してしまっている。
- だから、正しい事をする人、まっとうに生きていこうとする人の方が、
- 世の大勢の人達から疎んじられ、反対され、裏切られてしまう。

- その大勢の人達はと言えば、思い通りにならなかったり、
- 自分の夢が叶わなかったりすると、
- あいつが悪い、こいつが悪い、言うに事欠いて国が悪いなどと
- すぐ他人のせいにする。
- 本当は自分が悪いのに。

- シュプレヒコールをしながら、目の前をデモの行列が通り過ぎて行く。
- でもそのシュプレヒコールで言っていることを心から願い、
- 本気で世の中を変えようと思っている人がどれくらい居るだろうか?
- 本当は自分のことしか考えていないのではないか?
- 世の中を良くしたい、正しい姿を示したいと考える人や
- 他人の事を心配する心優しい人は、
- そんな圧倒的大多数の人達とも戦い続けなければならないのだ。


- 世の中のほとんどの人は、たいがい臆病なので、
- 自分が異端視されたり、自分勝手であることがばれないように、
- いつもすぐばれるような嘘をついている。

- でも中身が透けて見えるようなそんな嘘は、誰にでもすぐ暴かれる。
- そんな誰にでもわかるようなことを、
- さも難題を見破ったかのように言って、
- 学者たちは世の中のことを全てわかっているかのように振る舞っている。
- そんな事、誰でもわかるのに。

これは私の解釈なので、本当は違うのかもしれないのですが、
人間の本性を鋭く抉るようなこの歌詞には、
私は何度聴いても震撼してしまいます。

この歌詞を、あのメロディに載せてしまう彼女は、
本当に天才だと思います。

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minorin2

こんにちは。ご無沙汰しております。ahiruさんは中島みゆきのファンだったのですね。

さて「世情」は私も名曲として認知してましたが、ahiruさんの詩の解釈を読んで、いかにも生真面目なahiruさんらしい正義感あふれる解釈だなあと思いました。

私はもう少しアバウトというか緩やかな解釈をしております。

・・・とかくこの世の中は移ろいやすいものであり、良い方にも悪い方にも変わってしまう。変わってゆくこと自体が悪いことだとは思わない
・・・ただ、その中で変わろうとしない者や、変えたくても変えられない者たちはいつも悲しい思いをしてしまう
そして、変わらないこと自体がそんなに悪いことでもないのに、「変わらない」という理由だけで、世の中の批判の対象にされたりしてしまう

・・・もしかしたら本当は、変わらないものを何かに喩えてそのせいにしてる人たちも変わらないことに対して憧れを抱いているのかもしれない。
だけどほとんどの凡人にはそれは夢でしかない。大抵は世の中に流されて生きてしまっているものである。・・・だから本当に戦うべき相手は、変わらないことを夢として見続けたがる人の心なのである・・・

まあ、だいたいこんな感じでしょうかね

中島みゆきの歌詞が人の本性を抉るというのはまさに同感ですね
ちなみに私の印象的なフレーズは「ファイト!」という歌の中の
「私の敵は私です」という言葉です。
by minorin2 (2014-11-03 12:54) 

ahiru

minorin2さん、こんばんは。たいへんご無沙汰しております。
はい、実は私、かれこれ30年来のみゆきファンなのです。
筋金入りというほどではありませんが、
まぁ、なかなかのファンではないかなと思います。

さて、minorin2さんの世情の解釈、大いに頷いてしまいました。
とりわけ「だから本当に戦うべき相手は、変わらないことを夢として見続けたがる人の心なのである。」というところ、
私は、「あー、そうかぁ、なるほど。」と
思わず声を出してしまいました。
自らの心の中にも、思いもよらない敵がいるかもしれないことを、
忘れてはいけないですね。

それにしてもminorin2さんと、「世情」で意見交換できるとは、
こんなに嬉しいことはありません!
その意味でこのテーマを、ブログに書いてよかったなぁと、
つくづく思います。

それから「ファイト!」
この曲も人によっていろんな解釈がありそうですね。
タイトルは「ファイト!」なのに、
歌詞の他の部分では、応援するような箇所がほぼ無く、
辛い描写ばかりが繰り返されます。
初めてこの曲を聴いたとき、
そう言えば、一生懸命がんばっている奴を、
『できもしないくせに、やめときゃいいのに。』
とせせら笑ったことがあったのではないか?
そう思いました。

「私の敵は私です。」
階段を転がり落ちた子供を助けなかった「私」が、
自分も汚い大人になってしまったことを自覚した瞬間ですね。
そんな大人の汚い心と戦えという「ファイト!」は、
厳しいけれども、希望も感じられる、
そんな優しいフレーズではないかなと思います。

by ahiru (2014-11-03 22:53) 

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